やまもも酒、ジャムなど各家庭の味を楽しんだり、塩漬けにして打ち身の炎症止めとして使用したりしています。ただ、「やまもも」自体を知らない人が増えてきています。
40代以上の方では、子どものころ「やまもも」を食べ、服を赤く汚して怒られた話をよく聞きます。それぐらい、昔はあちこちに植わっていたのだと思います。
やまももの木は雄と雌があり、両方が無いと受粉出来ず実がなりません。
ただ、やまももの花粉は非常に遠くまで飛び、いたるところに街路樹や自生している物があるので意外と雌だけでも結実する事も多いようです。
「やまももの花粉は中国から飛んでくる」とまで言われています。
栽培されているものの主な品種は瑞光(ずいこう)や森口(もりぐち)、亀蔵(かめぞう)、広東(かんとん)などで、それ以外にも20種類程あります。原種である「やまもも」の実は小さいですが、上富田町内で「みずもも」と呼ばれているものは、大きな実の「やまもも」全般を指しているようです。
やまももの花期は3月から4月にかけてで、花が終わって小さな実が出来始め、6 月中旬から完熟し始めます。収穫できるのは6月中旬ごろから7月上旬頃までのほんの数日間。収穫後は傷みが早いので「幻の果実」「赤い宝石」と呼ばれています。
やまももはとても傷みが早い果実で、収穫されてから長くは日持ちしません。なので、やまももが美味しく食べられる旬の時期は6月中旬から7月中旬あたりまでの短い期間だけです。
色々な食材の旬が曖昧になってきた今、まさに「旬」を感じさせてくれる貴重な果物と言えます。
やまももに含まれる甘味成分の多くはブドウ糖です。ブドウ糖は体内に吸収されるとすぐに身体の主要なエネルギーへと使われます。また、脳のエネルギー源でもあります。
やまももの赤い色素成分は、アントシアニンなどのポリフェノールです。
アントシアニンは抗酸化力が強く、筋肉の疲労を抑え、運動による過酸化脂質を改善するのに役立つと言われています。